Ｃａｎｔｉｌｅｖｅｒ：
　カンティレバーともいいます。「一端固定支点で、他端は自由の梁。」（け）
　柱と柱を上部でつなぐ材を梁と言いますが、その梁を柱の外まではね出した部分の梁のことです。片持ち梁ともいいます。鳥居でいいますと、潜るほうでなく柱から外へはね出た部分ですね。
　もちろんカンティレバーの目的は柱の外へも屋内空間を欲張ることです。建築的に最も力のバランスのよいのはスパン（柱と柱の間隔）の４分の1の出のときです。私は、これは自然にバランスがとれ各部材に最も無理をかけない素晴らしい工法としておすすめしています。当室作品例で数多く見ることができますよ。
　

　Ｐｉｌｏｔｉｓ（Ｐｉｌｏｔｉ）：
　「元来は基礎ぐいのこと。これを地上に出してその上に建物をのせ柱もしくは壁だけで地平階を自由に通りぬけられる空間にしたもの。コルビュジェがこの手法を用いて有名になり、世界的に応用されるようになった。」（け）
　英和辞典によれば、建物を地表から持ち上げる支柱（によってできる通路空間）、とあります。

　要するに、1階で柱だけの自由に通りぬけられる、地上と一体になった空間をいうわけですね。
　建物を上に持ち上げたというと、では建物の1階はピロティの上の階を云うかといえば、そうもいきません。わが国ではピロティの階があくまでも1階、建物最下部なるものは2階です。
　なお、本当に柱だけだと2階へ上がれるわけがありません。階段やエレベータやその他の部屋があっても、一部の柱だけの空間をピロティと呼んでもかまいません。また、ピロティは地上に限らず、防災その他の目的で高層ビルの中間階に造ることもあります。

　Ｐａｔｉｏ：
　坪庭。中庭。スペイン風の家の中庭（椅子やテーブルが置いてある）。