「光速の法則」 やさしい説明
第4章にある「光速の法則」をだれかに易しく説明するにはどうしたらいいのかを考えてみたい。ややこしい数式で表してあるのは、空間の流れを求める計算式。要するに川の流れや海流の速さを求めようとするようなものだ。
それが分かると
船舶が海流をみて経済航海する
ゴルファーは風を見てクラブを振る
ことができる。
同じように宇宙で最も短い時間で光が行って還る道筋を見つけられる。
「光速の法則」とは、空間の流れが決まる決まり方のことである。「空間の流れの法則」と呼ぶほうが分かりやすいだろう。
ここに云う空間というのは、光速の基準となる空間のことである。ランナーにすれば地面に相当する。つまり、物体運動の静止座標でもある。光にとってはそれが空間ということになる。それ故、光の空間とは、一般に認識されているような、なにもない「空っぽな」空白ではない。
数式を見て難しがる必要はない。当社編集部にITを操る技術もアタマも今はないが、専門とする人にはこれを時間圧縮して光がゆっくりと進む動画として可視表示することは簡単だろう。それを見て社会人が楽しむのもよいが、船舶業者、航空業界、宇宙開発機構などに売り込む手が、今ならあるのではないか。
専門でない当社も、動画となった流れに漂う光の進み方を見てみたいものだ。腕に覚えのある技術者は、いち早く誰かがやる前に特許取得に挑んでみられたらどうか。
例えばまた、列車内で卓球をしているときの玉の速さは、卓球台などが置かれている列車内、つまり列車内の空間でのこと。玉の速さとは、この車内空間で飛び交うピンポン玉の速さのことだ。列車が走っている野原に対する玉の速さではない。
玉と光とは大きな違いがある。玉は物質であり重さや大きさがあるが、光は重さや大きさとは関係なしに進む波である。ピンポン玉は卓球台とか、周りの物体に対する速さを持つが、光は光の通る空間に対する速さを持つ。
光が通過している空間とは何か、その空間を基準に、光は進行する速さを持つ。
重さ(物理学では“質量”と呼ばれている)を持つ物体はその周りに重力場という性質をまとっている。性質の強さはその物体に近いほど大きく、物体が重いほど大きく遠くまで及んでいる。
だから、物体たちはそれぞれが、それぞれの重力場をまとっていて、動いている他の重力場と押し合わないで混和している。重力場は質量のように折り重なって肥大してくることはないからだ。
その和のことを重力場たちの“ベクトル和”と、物理学では呼ばれる。質量たちの各動きが混和している。
たくさんの物体たち(例えば星たちのような)があったらその運動速度を含めて、それぞれの重力場たちが混和した(ベクトル和となって)共通場となっている。これがその空間での静止場ということになる。つまり光の速さの絶対的基準すなわち静止座標だ。
それは重力場たちの和になっているのだから、それぞれの重力場の動きを合成して、それが得られる。
だから、宇宙空間の場所ごとに静止空間の流れは異なる。周りの物体たちの状況により空間の流れとして観察される。宇宙の多数の星雲たちの重力場の流れを縫って、光はよたよたとよろめきながら進むのである。
これが実際に眺められたら楽しい。IT専門家が電子的な計算をして、コンピューターのデスクトップに動画として描き出してくれたら、我々は空間の場所場所で光速を観察することができ、光は宇宙をどんな風に進むかを観察することができるはずだ。
もう一度要点をまとめよう。
光速の法則とは、空間の流れを見定めることである。
数式
を解釈すると、光速の法則とは、ここからr の距離にある星の速度Vに、星の質量mに万有引力常数Gを乗じたものをrの2乗で割ったものがここの場所に及んでいる星の重力場の運動速度である。これを全体(各質量mに万有引力常数Gを乗じたものをrの2乗で除したものの総和)で除したら、星たち全体に対するその星の重力場の運動速度比例配分となるから、これら全てを加えると、この場所での重力場の速度Vo cつまり「空間の流れ」となる。この式が第4章に示された式であり、前掲の式である。