B   印刷用は省略       不定期便  第51号
  不定期便 51 01235

 重力場運動 その1
           

 発行
012年3月5日
発行者
熊野宗治
 
  
 
地球の重力場は自転しているか

 次の図はMGP実験の円環模型を上から見たものである。円環は地球自転によって各点ともυの速さで回転している。それが天の方位に対して円環の部分、たとえばQPが図の位置を通りかかっているものとしよう。
 図1

 P点において地球の重力場はいかなる速度を持つだろうか?
 環のP点における地面は、地球の中心に対してたしかにυの速度を持つだろう。もし「光速の法則」が正しいとすると、P近傍での地面は重力場の運動にυを付与しようとすると考えられる。
  しかし、P点とはちょうど反対の位置にあるQ点での地面は図のυの速度を持ち、P点での速度

   に対し真逆の向きである。速度の絶対値は互いに等しいはずである。Pからの距離がもし同じであったらPでの重力場運動を打ち消したはずの速度である。
  図2

 上図はQPを通り、回転軸Oに沿って施設ごと地球を半割りにした断面図である。図中のqはP点から半径D(円環の直径に相当)になるように、球面状に切り取った断面を示すものとすれば、球面qの外側のおおむねについては、左断面Aと右断面Bとは以下に述べるように、互いに対称な速度分布を持つと考えられる。

 図の左断面Aでは紙面の裏から表への速度を、右断面Bでは表から裏への速度を持ち、それぞれ速さの等しい点が軸に対して互いに対称な位置に存在する。それは球体qを除くほぼすべての部分でそれが成り立っている。
 この模型を実寸で描けば、球体qは次の図のように、いや、もっともっと、針で突いた穴よりも小さい。
  1  
    不定期便  第51号

図3

このことは、P点におよぶ地球重力場の、地球自転による運動速度の合計はA+Bであって、これらの和はゼロであることを意味する。

つまりは、地上に固定された円環の位置においては地球の自転によっても重力場は回転していないことが知られる。(ただ球体q近傍の偏差のためわずかな回転は見られるだろう) 

すなわち、地球とともに自転している円環のほうは重力場に対して回転している。

円環での重力場は地球の公転と共に太陽の周りを公転(地球に静止)しているが、地球の自転と同じ自転はしていないと言ってよいだろう。この原因は重力場の対称性からきている。

太陽についても同様のことが言える。太陽も自転しているが、太陽の重力場についても同じ原理から、自転にともなう回転運動はしていない。






 
  2