印刷用は       不定期便  第68号
     
  不定期便 第68号 013年1月13日

     重力場伝達速        013.1.4

発行
2013.1月13日
発行者
熊野宗治
 
  放送大学の講義によれば、アインシュタインは重力場の伝達速さは有限であって光速である、と言っている。これは正しいだろうか。

鋏が入ると同時に凧は自由か?    1/4

2つのものの間で力を媒介している例として、凧糸の張力について、その応力の伝達速さは有限であるかを考えてみよう。

図1

 図のように手元の糸をハサミSで切ってみる。カットした瞬間の時刻tを
   t = t0
だったとする。凧Kが解放される時刻t1
   t1 =t0
だろうか。それとも
   t1 = t0 + L/υ
だろうか。ここで、Lはハサミから凧までの糸の長さ、υは糸を伝わる音速である。

    小生の推測によれば、糸の質量がゼロだと見做してよいなら、糸の張力は糸が切られたのとほとんど同時に糸は凧の方へたぐられ、同時に、風に対する抗力が失われるはずだ。
 この推測はニュートンの「作用反作用の法則」に合致する。

 もしアインシュタインを筆頭として考えられている重力伝播説と同じようなことが起こるとすれば、つまり糸の張力は音速で伝わるとすれば、ハサミを入れた瞬間に手応えはゼロとなるが、凧が手で引かれている力は、糸の張力が凧へ到達するまでの時間、たとえば1秒ばかり、残り続けることになる。質量ゼロなる糸が物理を超えた霊力によって凧を引き止めているわけになる。(相対論では《場所(手元や凧)によって時間が違う(相対性原理)》と辻褄を合わせる)
 しかも、仮に音速で伝わると仮定しても、糸を伝わる音速は糸の張力が大きいほど速いであろう。このことは糸が切られて張力がゼロとなったとたんに、音速はゼロに近いほどの速さに落ちるのではないだろうか? だとすればL/υなる時間は、非常に大きいものになるはずである。ずいぶん長いあいだ、凧は霊力で引かれていることになる。そんな無茶はないであろう。よって、凧は凧糸が切られた瞬間に糸の拘束から解かれる、と結論すべきではないか。

 さて、重力場の伝達速さは有限かつ光速に
   1
 
    不定期便  第68号
等しいとした場合に、どんなことが起こるかは本紙第57号で論じた。諸賢はいま一度ご覧願いたい。もしそれが本当なら、――アインシュタイン博士はそうおっしゃるのだが――この大宇宙に散在して夜空に輝いている星たちからの力は、(星たちは今やあれから何億年後の配置にあるにもかかわらず、)当時あった星からの万有引力として働いていることになる。すなわち、今輝いてみえる星は、今は存在しないのかもしれないのだ。今の地球は全ての星から幽霊引力で引かれているわけである。
 好都合なことに、引力伝達速度が光速に等しいなら、今見ている方向に引力が働いていることになって、一見矛盾がないことになる。しかし、もしある星がほぼ光速の速さで地球へ向かっていたとすれば、その星からの引力は我々にとってどんなことになるだろうか? その星の引力が到達するのと姿が見えるのとはほとんど同時、ということになるのだが…。


















  
   2