C 不定期便 第81号 |
不定期便 第81号 013年9月27日日
大学での相対論 4 長さも、そして速さも?
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放送大学講義の受講を続けます。
13章 電磁波とアインシュタイン
13.3 光速不変性により時間の流れを見直す時間あわせ,ミンコフスキーのダイアグラム
固有時間と運動による時間の遅れ
を見てきました。 |
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今回は 固有時間と運動による時間の遅れ
から続きます。
なお文中、ワープロ印字の限界から、例えば√(A・B)と表記して括弧内のA・Bという数式全部が√内の数である約束をお許し願っています。 |
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放送大学講義 初歩からの物理学 から 米谷民明教授 |
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講義内容 |
わたしの疑問 |
長さの短縮 238
時間の進み方が違うことから、物体の運動方向に測った長さも違うことが導ける。
図13.7
K´系でχ´ 軸に向いた物指で、左端から右端に向け光を発射し右端に固定された鏡で反射させて左端に戻るまでに要する時間を考えよう。
K´時計で測ったときには、往復して光が左端に戻るのに要する時間は片道の倍で
凾´=2L/cである*2。……(イ)
一方、これをK時間で測った場合、光が右端に到達するまでの時間凾A→Bの間に右端はK
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←導けるというより、そうなってしまうと言うべきだろう。非常識な結論であるが、それを相対論のこのような危うい時間や光速を用いて測定する長さ寸法もまた、確かなものだろうか(疑18)? 寸法は光速や時計を用いなくても決められることであるのに…
ここでわたしは「時間」「(運動を含めた)物質」「空間」の独立の原則を提言しておきたい。“三元独立の原則”と呼んではどうだろうか。時間が物質を変化させるのではなく、物の運動や変化が時間を動かしたり空間が物を変化させるのでもない。
物の変化は時間とは無関係に起こり、物の変化を観察する間に、その変化を時間をおいて観察する人間がそれを感じる勝手な間隔として“時間”という概念を持ったに過ぎない。元々自然界には“時間”など必要でない。
*2これは乱暴であって(疑19)、ひとくくりに 凾´としたものは、図によれば実は往きに長くかかり、帰りは早い。 |
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講義内容 |
わたしの疑問 |
座標ではυ凾A→Bだけχ座標が進んだ位置にあるので
c凾A→B=l+υ凾A→B
の関係にある。変形すれば*3
凾1=l/(c−υ)
反射して左端に戻るまでには
凾2=l/(c+υ)
往復にかかる時間凾狽ヘ
凾=l/(c-υ)+l/(c+υ)
=[(c+υ)l+(c−υ)l]/(c2−υ2)=2cl/(c2−υ2) ………(ロ)(筆者図)
凾A→Bは凾1 、
凾B→Aは凾2 と書き換えた
(13.4)式 凾´=凾煤[1−(υ/c)2]によれば、これらは2L/c
=[2cl/(c2−υ2)]/√[1−(υ/c)2] これから、
l=L√[1−(υ/c)2] ……(ハ)*4
これはK系の観測者が運動物体の長さを(両端の位置の差として)測ったときには、運動方向の長さが√[1−(υ/c)2])の割合で短縮していることを示している。
*4-2
K´の時間軸はχ´=0に対応する直線だが、Kではχ=υtだから、(13.3)式 t´=α(t−υχ/c2)と同じ考え方により、一個の定数αを用いて
χ´=α(χ−υt)*5と置ける。*6
K´で静止していたχ´軸向の物指の両端が |
それらの和凾1´+凾2´が凾´であろう。したがって上式は(凾1´+凾2´)=2L/cであって、必ずしも凾1´=凾2´ではないと見るのが妥当ではないか。
(※3確認)K系でc凾1=l+υ凾1
∴ (c-υ)凾1=l
戻りはc凾2=l−υ凾2
∴ (c+υ)凾2=l
*4-2 逆を言えば、同じ物体の長さが座標ごとに違うのでなければ、光速の不変性(P.3)は成り立たないことを意味する。
こんなことはありえないと考えるなら、光速不変は間違いではないか? と疑うのが正常であろう。
(※4確認)(イ)式凾´=2L/c
=(13.4)=凾煤[1−(υ/c)2])
凾狽ノ(ロ)を入れると上式は
2L/c
=[2cl/(c2−υ2)]√[1−(υ/c)2]
lについてこれを解けば
l
=[(L/c)(c2−υ2)/c]/√[1−(υ/c)2]=(1−(υ/c)2) L/√[1−(υ/c)2]
=L√[1−(υ/c)2]
なお、lはK座標での長さであり、
LはK´座標での長さである。
*6なぜαと置けるのか? αは時間の式(13.5)のαと同じであると、なぜここで言えるのか?(疑20)
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講義内容 |
わたしの疑問 |
χ´=0、χ´=Lだとすると、t=0のときχ座標の差lは L=αl *7
よってα=L/l=L/L√[1−(υ/c)2] =1/√[1−(υ/c)2] と結論できる。
つまりK´とKで位置座標は
χ´=(χ−υt)/√[1−(υ/c)2]
……………(13.7)で結ばれる。(13.5)式
t´=(t−υχ/c2)/√[1−(υ/c)2] ……………(13.5)
と合わせてローレンツ変換と呼ぶ。
光の速度は超えられない P.240
現れた因子√[1−(υ/c)2]は物の速度が光より速いつまりυ>cの場合を想像すると、虚数になり無意味になる。いくらでも大きな速度があってもよさそうに思えるので不思議だ*。
しかし高い速度を得るには小さな速度から加速してゆくしかない。常識に従えば、ある速度υの物体からさらに同方向にuで物を打ち出すという繰り返しにより、任意の速度を作り出せそうである。これでは明らかに光速不変の原理に矛盾するので*、やはり常識は間違っている。合成するたびに時間の流れが違ってくるので、常識論は成り立たず、速度の合成の規則も変更しなければならない。
Kに対しχ方向に速度υで運動するK´に加えて、K´に対して同じχ方向にuで運動する慣性系K´´(時間t´´、空間χ´´)を考える。図13.7のように速度υの軌跡がK´の時間軸ct´である。
K´の時間軸に沿ってKの時間軸はctの目盛cのところがχ軸の目盛υ(cからχ軸と平行に引かれる線がct´軸と交わる点から、下へχ軸に垂線をおろしてそのχ座標でυと記入してある)である。
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*5 χ´=χ−υtならガリレイ変換であるが、相対論的見方では、なにかこれを少し変化させるαがあるものとしてχ´=α(χ−υt)と置くのであろう。どうせあのαと一致することが分かっているからであろうけれども。
(*5 式の解釈) K座標にあるχなる点は、右に動いてゆくK´座標から見て、左へ、つまり座標点はυtで減少方向へ動く点であるからχ´=χ−υtである。しかし、それだけではなく、もう少し違う値をとる、という式になっているわけだ。
*7 χ´=α(χ−υt)で、
L=α(l−0))
←*と言いながら、やっぱり離れえず、これを埋める数式を探し求める。感心することに、よく見つけ出すものだ。
←*なぜこのことを考え直そうとされてこなかっただろう。常識を否定することで、“相対論を続けたかったから”だろうか…。
大学では相対論は省き得ない大きな教材で、関連した色んな教材(解析力学など)と相俟って、大学院への必要単位となっているようだ。
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わたしの疑問 |
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図13.7
このときct´の時間目盛は因子√[1−(υ/c)2]だけ小さいのに対応してct´の目盛でのCの点はCから出る点線の曲線(y=χとy=−χへの双曲線のようなもの、言い換えると見慣れたy=1/χ(双曲線)を45゜原点の周りに回転させたような曲線)とct´軸が交わる点Pにある。さらにP点からχ´の目盛で測って距離uでK´´の時間軸ct´´と交わる。これを q点とする。このとき、KからK´´を見たときの速度wが図示の位置にある。 uは線分pqの長さをχ´軸の目盛で測ったもの。図からw−υとuは同じでないことが見られる。実際にはw−υ<uである。速度を合成した結果は、その和より一般に小さい値になる。結果だけを示すと
w=(υ+u)/(1+uυ/c2) …13.8*
u,υが≦cなら、wはcを決して超えない。
ミンコフスキー図で言えば、光速度に近づくほど時間軸の傾きは45°に近づく。合成を何度続けても、時間軸は決して45°方向を超えて傾くことはない。空間軸は45°方向に近づくが、二つの軸が交差することはない。無理に交差させれば、時間と空間が入れ替わり最初の前提が壊れる。u>cで因子√[1−(υ/c)2]が虚数になるのはこのためである。
つづく
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←*この図はどう考えて作られたものか、小生にはさっぱり解明できない。少なくとも説明図に一貫性のないことについて、次のことのあることを指摘しておきたい。 このミンコフスキー図とかいうものは物理を説明するものではなく、単なる計算図にすぎない。その明確な証拠としては、χ軸――これはK座標での位置(長さ)である――の上にυやwという、速さ(長さ/時間)を示す値が記入されている。次元の不一致は物理学上最も初歩的な誤りである。もしこれで(13.8)のような式が導かれるとしても、単なる図表だ(疑21)。これにy軸z軸が加わったものは、いったいどんな図になるのだろう(疑22)?
図によって、物の速さは光速を超えられないことの説明をしているが、そうなるのは「アキレスと亀」同様、もっぱらそのように考えて光速とした論理であるからにすぎない。飛行機など、物の速さを音波によって測ろうとしてもできるが、飛行機が音速を超えられないかというに、超音速で飛ぶことは音波の有無とは関係なく実現している。
*(別人の説明) ローレンツ変換はχ´座標軸からみてχ座標は左へ動いてゆくので、相対速度υはマイナスがつき、((υ/c)2=αとおく)
χ=(χ´+υt´)/√[1−α] …(イ) 時間については
t=(t´+υχ´/c2)/√[1−α] …(ロ)
原点Oで時間ゼロで測ってt秒では χ=wt
t´秒では χ´=ut´
(イ)に入れると
wt=(ut´+υt´)/√[1−α]…(ハ) (ロ)は
t=(t´+υut´/c2)/√[1−α]…(ニ)
両辺とも(ハ)を(ニ)で割ると
w
|
=
|
(u+υ)t´ |
=
|
u+υ |
t´(1+υu/c2) |
1+υu/c2 |
……………(13.8)
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