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不定期便 第110号 |
不定期便 第110号 015年 1月5日
宇宙と生命 |
発行
2015年1月5日
発行者
熊野宗治 |
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脱け殻を“無”の中に脱ぎ捨てて起こった“発生”という出来事。その抜け穴と発生とは同時に存在し、それらは悠久の時間の流れに乗り合わせる。
――振りさけ見れば
われわれはこれまでに、物体の運動の観察から、磁気の不思議、それに、相対論の難点を見てきました。ぼくらがその難点を解消したとき、光はどこを走るのかを知り、そして、“物質場”の考えに至り、ついに宇宙保存の法則にまでたどり着きました。これから先は地上のまだ誰も知らない物理学の世界です。
物理学の端部まで来て、わたしたちはたいへん色々のことに思い沈みます。
まことに現在、宇宙に満ちている絢爛たる物質や、それらが顕わす驚異の形姿は、たしかに現実の存在ではありますが、全てはそれより以前の宇宙の姿から変化してきたもので、一度も不連続な出来事は起こっていません。
それ故、これら全ての始まりという瞬間の時刻は不定であります。宇宙の全ての空間で、どこでも新しい組み合わせとして誕生し、元の組み合わせは、それと同時に消滅して新しい組み合わせの中に生きています。
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エネルギー貸借の原理に基づきつつ、その転生(物質の誕生)の際には、時間や空間という要素は存在しません。いわんや相対論にいう“宇宙に結びついた時間”といわれるものはそもそも存在せず、あらゆる変化の厳粛な前後関係が存在するのみであります。いいでしょう、われわれも、それを時間という概念で受け容れましょう。
そこになにぶん、湧いてくる疑問を投げてみようと思います。次の物理学へはどの幕を開けるべきかの手掛かりになるかもしれませんから。
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起こってくる疑問 014.9.23
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1.自然法則
宇宙における自然法則とは何か?
なぜ法則は存在したのか?
自然法則によって善と悪を別けることは可能か?
自然法則は人間にとっても抗し難い宿命である。法則の下に、われわれは何をすべきか? |
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不定期便 第110号 |
2. 宇宙
発生と自己
人は宇宙から生まれ、自意識を持ち、宇宙の巧妙な神秘を知り驚き、宇宙がどのようになっているかを認識するに至った。宇宙自身が自己を認識するようになったのである。
なぜ神(宇宙)は、自己認識したいのか?
宇宙が持つ自然法則とは何か?
宇宙(あるいは存在)の起源において、その同時期に数学というものはあったのか? つまり、その刹那、数学的法則は準備されていたのか?
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4. 人間と宇宙
生命は完成宇宙のミニチュア版である。人間はここで、何をすべきか?
貴君とは、宇宙において何者か?
貴君は宇宙の一部である。貴君は自己なる宇宙をどうありたいのか?
宇宙の営みと人体の営み、ひいては人間社会の営みとはどこが違うのか? あるいは、どこが似ているのか?
人類はどんな過ちを犯したか?
どのように誤ってはならないのか?
なにをやってもよいのか?
過つ前に、よく見究めなければならない。
宇宙における人間の憎悪と愛とはなぜ起こるのか?
争いは善か悪か?
宇宙において何が善で何が悪か?
人は何をすべきか、何をしたいのか?
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3. 生命
生物とは何者か?
生命は物質発生と宇宙の自己認識とを橋渡しする。
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わたしはこれまでに多くの恩師・知人・友人を亡くした。わたしも今にこの世を去る。何のためにわたしは命(自己認識)を持ったのか?
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5. 神
宇宙を統べる神よ、なぜ神は自己認識をしようとするのか?
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不定期便 第110号 |
数学は神の言葉か?
神とは“場”の“本能”なのか?
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の“発生”の瞬間にその“場”が外縁で薄くなり、その作用の存在が不明確となるまで離れたところで、その場の持つ無限遠である、として想定されるだけである。
――発生の瞬間に最初の幻子のすべてが存在し、従ってそれへの成長時間は必要でない。
物質の元となる場は、他の“場”との相互作用から発生する場合と、無なる空間に光の通過によって幻子として誕生し、あるいは未知の刺激あるいは状況によるバランス崩壊によって幻子として発生する、と想像している。
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6. 光
命の素は光にある。光そのものの変化(発電や磁場の生成や熱ほか)はもとより、物質の結びつきを促進したり変えたりして、植物や動物組織を芽生えさせ成長させる。
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光は神の息吹である
なぜ光は命を育むのか?
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7. 幻子論的わたしの概念
――これまで論考してきた結論からすると、人々が概念として持っている物質というものはそもそも存在しない。存在したのは“場”という空間を形成することになる原初性質の発生である。
――したがって物質誕生は不要であって、時間は存在しないし、必要でもない。変化だけが存在し、そのことと人の概念がつくり出した時間とは無関係である。
――原初性質(幻子)のサイズは、そ |
以上で、物質が持つ神秘についてのすべてをお話しました。これより先はわたしにも分からないし、まだ知られないこともありましょう。考えても考えても、考え尽くすことはありませんけれど、これからの若い方たちの仕事を取り上げてしまうのも気の毒でいけません――冗談ですよ――。
かと云って、続けてきた不定期便をぷっつりとやめるのも、心寂しい。受け取ってくれている親愛なる友人諸君にも、常々はあまり読む気にもならぬものだったかもしれないが、そんな重石が急に取れる“自由”ってやつが、なんとなく寂しい思いをさせはしないか、という |
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不定期便 第110号 |
わけで、これからはほとんどどうでもよいような、例えば建築の話とか、世間知らずの愚痴とかを掲載して、気ままに続けさせていただきたいと思います。
求められることは、物理学者が著わす難解な数学によってのみでなく、何らかの物理を表わそうとする数式のどの部分が物理の何を表わしているものであるかを、逐一、数式を解体しながら易しい物理として解説するような書物が提供されることです。
学術図書なるもの、学生は数式については自ら諸書を探索して学べ、と偉そうにしているのが通例であります。そのような時間(読者たちが費やす時間の総和)は実に無駄です。
かかるご立派な書物が持つ運命の実体は、初めの精々数10ページにめくられた形跡があって、その後は本棚の目立つところに飾られ、大抵は埃をかぶっておるのでありましょう。
そうではなくて、その書物が言おうとする全てを、その一冊で理解できるものであってほしいものであります。
これから世間でも、気さくで愉快な人による、親しみやすい科学的論議が展開されるようになるでしょう。そのほうがよく売れるはずであります。物理も一般に分かりやすい形で語り継がれるようになれば喜ばしいことです。(かと言って、易しく砕きすぎて厳密さを歪めたものはいけません)
そうなれば、科学的な理解にも多くの人が興味を持ち、いちばん真理であろうと思われる方へ――数式という煙に巻かれないで――細やかに広く考慮されることができるようになるでしょう。きっとそれは、智が真実な対象へ注がれてゆく、正しい物理を拓いてゆくにちがいありません。
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出版社の方々へ
上に述べましたように、物理学の 端まで来てしまいました。 あとには面白楽しいお話をするだけのことをお許しくださいませ。
出版社の方々、どうか我々(有志諸君の共著としても結構)の『光速の背景』を出版してください。それは神から人類への伝言ではありませんか。
筆者から町興し提案―「千住仲町に新千住宿を」
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不定期便 第110号 |
わたしの 国語辞典
独断と偏見で綴る |
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わたしのギャラリー
写真 輿水 進
美野里の家 筆者設計昭和53〜(1978〜80)年
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曲学
「曲学阿世」と組み合わされる。真理を曲げて世間に気に入られるような学説を唱えること。よく売れるかもしれないが、学問でそんなことをするのはなんとも空しい。 (2006/2/14)
建設
自然を破壊すること。 (2005/8/12)
逆鱗
君主逆鱗が語源。龍の胸に一枚だけ逆に生えたうろこがあり、これに触れると怒って突き殺される。同じものが君主にもあり、触れられると激怒するところがあるから注意が要る、という。龍は虫だから、同じ説得をするなら、どこが逆鱗であるかを良く知ってから上手にしなさい、ということ(『漢字成語をよく知る事典』から)。 (2006/2/14)
偉大な頭脳
学識者の頭脳は、意外と太古の原始人からほとんど進化していない。130億光年遠方で生まれたばかりの星の発見と、140歳と云うビッグバン誕生説とが互いに混乱しないのだから…。この人たちの物分りのよさと云ったら、高橋尚子さんと私が競走しても、それぞれが見る光の速さに対して、全く同じ早さであるという公平さである。 (2006/7/21)
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