R  不定期便  第92号
   
 不定期便
 92


        未来への伝言
発行
2014年4月1日
発行者
熊野宗治
 
     
発行時6頁の本号を、かなり削減して概要にまとめます

海外発送のご報告   013/3/26

 前回、木箱で梱包した書籍を5ヶ国あてお送りしたと伝えました。お送りしたのは国内で出版の機会を待っていた『光速の背景』です。
 これまでに著書にしたり、考えたりしてきたことを整理し、理論もきれいに完成させたのが『光速の背景』でした。

本国においてこの本を刊行してくださる有力出版社は、まだありません。これまでお話してきましたように、この理論は現代物理学の大勢と真っ向から相違しています。それ故わが国の理学界では受け容れられ難く、海外においても同じでしょう。ですから、人々に伝える手段は出版しかなかったのです。
 しかし、出版もまた、現代資本主義的考えに基づかれ、対象がたとえ人類にとって重要なことであっても、出版社個々としての採算が合わない限り、出版しないという姿勢を保つことが、利益優先の企業として正道であると考えられています。わたしにはそのことを批判することはできません。企業の自由であります。

 とはいえ、わたしがここで出版を諦めたら、この重要な自然法則はこのまま消滅してしまうでありましょう。天はなぜ、私にこの法則を啓示たまわったのでしょうか。出版を諦めることは簡単です。ですが、この恩恵にわたしはどう応えたらよいのでしょう。自然法則はわたしだけのものではないのに、人類全てから失われるわけです。親しい友人たちの減少と共に、私自身も遠からずして去るべき宿命にあります。
  

 
 そこでわたしは一計を思いつき、私の死後も天の恵みを絶やさないための努力として、この原稿をしかるべき知的レベルの高いところで保管していただく手を考えたのです。保管していただく以外の、なにも、そこへ要求することはありません。要求をしなければ、「いやだ」と言うこともできませんでしょう? 私の狙いはそれだけです。それが大事なことであることを直感していただけるようにと、丁重に差し上げることにしました。    
              

わたしは物理学をまともに研究してくれそうな国を5ヶ国選び、それぞれに2冊ずつ提供することにしました。するとわたしは10冊の製本をしなければなりません。

 製本具「とじ太くん」を注文し、インターネットにより求めました。

 大切に預かっていただけるように、その2冊は桐の箱に収めることにしました。フラッシュメモリーも添えたほうがよいので、これも2個、箱の中に収納するよう内寸を決め、山口県にある木箱のメーカーに5個注文しました。
 大切に預かっていただけるように、その2冊は桐の箱に収めることにしました。フラッシュメモリーも添えたほうがよいので、これも2個、箱の中に収納するよう内寸を決め、山口県にある木箱のメーカーに5個注文しました。 

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不定期便  第92号

この海外便には英文での送り状をつけました。わたしは語学力に欠け、英会話することさえままなりません。翻訳ソフトを用い――この翻訳ソフトというものは、とても変な訳をすることがあるので、油断できません――これで英文らしいかな?といったていどのことでご挨拶しています。おそらく、英文としては変な言葉になっていることだろうと思います。
 わたしはそのほうがよいわけです。完璧な英語で書いたために当然会話もペラペラであろうという前提で話しかけられたら、小生たまりません。欠陥や変な箇所があって、こりゃ通じないかもしれないわいと認識していただけることがよろしいのです。

ただ、しかし、一生懸命に誠実に書こうとしました。それだけは分かってもらえるでしょう。梱包の作業はわたしにとっていやな作業ではありませんでした。日曜大工は好きなほうで、ちょくちょくやります。
                

 保管をお願いする先は、英国のケンブリッジ大学、米国のハーバード大学、ロシアのモスクワ大学、ドイツのルプレヒトカール大学らの、各中央図書館それに国内では東京国立科学博物館と、わが国を含め5ヶ国です。

費用を計算してみますと、
カバー「とじ太くん」(背に熱溶融性の糊がある)B5判 10冊、用紙170×5×2枚、インク各色1/2を消費、桐の箱1500円×5と送料で8300円、航空郵便料11000円と袋代5パックで500円、USBメモリー1000円の10個、その他雑費1000円を加え、総額36,740円。
 1カ国あたり平均7300円となります。桐箱に入れて2冊を外国へ送って7300円だから、ちょっと張り込んだお中元ていど、これで未来の物理学が救われると思えば安いものです。

  ――着想から発送まで――
外国でストックしていただくために
『光速の法則』の入った原稿2冊を保管していただくことを考えました。
その国で、誰かへ貸し出し中にも、1冊はそこに残されましょう。

  



紛失したときに備え、いくらでもコピーがとれるようUSBメモリーを2個備えました。USBメモリーには原稿の他に写真や参考資料、私の略歴などが入っています。
 これを箱の中にまとめ、大学図書館に保管賜るよう、その主旨をお伝えする送り状(下記)を考慮しました。 

 
 
突然のお手紙をお赦しください。私は梱包物『光速の背景』の著者です。差し上げたいと存じます。
 その内容の主幹は90ページ記載の「光速の法則」であり、世界初の認識です。ニュートン卿を悩ませた光についての問題が解かれます。また、マイケルソン-モーレー実験の謎も解かれます。
 この著書は不幸にして未刊です。しかし、手作りの本書が貴大学のメイン図書館にて保管される名誉に浴するなら、いつの日か人類全てのかたのための遺産として祝福される日がまいりましょう。

 
それ故、読みたいと訪れるどなたにも、等しく開放されることを希望いたします。           2014.3.15
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不定期便  第92号

 保管されることだけを願ったのは、すぐ学部図書館へ配置されないためです。学部ではすぐさま廃棄処分されかねますまい。内容に関する過分な説明は控えました。どんな内容が記されているのかという興味を持ち続けられることが第一だからです。

              
この本は世界の5箇所
英国……ケンブリッジ大学図書館
米国……ハーバード大学の中央図書館
ロシア…M. V.ロモゾフモスクワ大学の中央図書館
ドイツ…ルプレヒトカール大学ハイデルベルクの中央図書館
日本では東京国立科学博物館
に配置をお願いしました。

 おそらく、日本人か、日本語の分かる人に、これは何だ?と相談されるに違いありません。法則の説明は90ページですが、序文を読んで興味を持たれ、本格に本文へ進まれるだろうと期待しています。箱詰めにしたのは、著者自身が大切に思っていることの象徴であることが伝わってほしいためです。桐材にしたのは、航空便には軽いほうがよいためでもありますが、和ダンスなど上級な伝統家具に用いられるといった話題もあるかと期待したからです。 落款を押すことは梱包作業時に、この箱が著書の入れ物であることがひと目で見分けられるための配慮ですが、この落款1つで廃棄がためらわれるような威厳をもってみえます。


 メモリはサヤを倒して収めます。



  


書名をおもてに貼ります。





送り状は内部にも入れるが、木箱の外にも透明フォルダーに挟んで添える。
爆弾かもしれないという不安を払拭する。







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