光速の背景   48 次ページ

第2章 疑うべき学説
 χ´についてはなぜか表計算のようにおいて⑪式を得るから、K´とKとの位置座標関係はこの式で結ばれる。これとさっきの⑥式と合わせてローレンツ変換と呼ばれている。
 「物の速さは光速を超えられない」という話は次のように説明される。
 因子は、物の速度が光より速い、つまりυ>cの場合、虚数になり無意味になる。この矛盾を解くために、やはり常識は間違っている、と考える。速い物の上でさらに速く動く、というようにして速度を合成するたびに時間の流れが違ってくるので、常識論は成り立たず、速度の合成の規則も変更しなければならない、と考える。
 速度を合成した結果は、その和よりも一般に小さい値になるとし、結果を示すと、例えばυとuとの和wは
  w=(υ+u)/(1+uυ/2)   ………………………⑬
 と導かれる。この式によれば、たしかにu、υ、……と、いくら速さを足し合わせても、cを超えないことが分かる。これが、物体は光速を超えられないとする結果である。
 また、Emc2はどの説明者の説明も、どこかが変な理屈になっていて、相対論から出てくることにはならない。 
常識論ではK系で(図6参照)光の往きの行程は⊿t1υ⊿t1
 ∴ (-υ)⊿t1
よってその時間は
  ⊿t1/υ
 戻りは⊿t2υ⊿t
  ∴ (υ)⊿t
 よって 反射して左端に戻る時間は
  ⊿t2/(υ
 往復にかかる時間⊿tはこれらの和で   ⊿t=/(-υ)+/(+υ
[(υ)l+(υ) l]/2υ2
2
/(2υ2)  ……………⑨

 相対論では´= L/だとする。
それゆえ⑨⑤式をあわせ
 2L/=´
=
[2cl/(2υ2]
を得るとし、これから、
 =L   …………  ⑩
 
 これはK系の観測者から見て運動方向の長さがの割合で短縮していることを示しており、K´の時間軸はχ´0に対応する直線だが、Kではχ=υtだから、④式 =α(t-υχ/2)と同じ考え方により、一個の定数αを用いてχ´=α(χ-υt)と置けるとする。
 ´ で静止していたχ´ 軸向の物指の両端がχ´0、χ´=Lだとすると、t=0のときχ座標の差lは L=α

 よってα=L/1と結論できるとし、つまりK´とKで位置座標は
 χ´
=(χ-
υt)/……⑪
で結びつける。⑥式
=(t-υχ/2)/…⑥
と合わせてローレンツ変換と呼んでいる。

また速度υとの和は次式で与える。
(υ+/(1υ/2)                   …………⑬

表4

  48
次ページ