光より速いニュートリノ観測         不定期便 46,47号から
 
 2011年9月23日、そのニュースは流れました。

    
    
      光速の謎とその氷解


 その圧力に押されて、発表からほぼひと月後には確認観測をし直すことになりました。ですが、長年貯えてきた膨大な実験データが、この数日間でのやりなおしで変わるわけありますまい。

 これまでに発表された実験結果によって、相対論の一つの結論「物は光速を超えない」が破れました。元々この奇怪な理論の起こった発端は「光速不変」という仮定にあります。どんな動き方をしている誰にとっても光速は同じであるというのが「光速不変」というものでした。

 音波の場合は、音源へ近づこうとする者には音は早く届き、遠ざかろうとする者には遅く届きます。音源のほうがこちらへ近づく場合や、こちらから遠ざかる場合の音速はこの空気中――この場合空気は音波の媒質です――で同じです。音波は音源をではなく媒質静止座標として音速を持つからです。
 光波の場合はアインシュタインによってその媒質(エーテルと呼ばれる)存在しないとされました。そのように出発して組み立てた理論が相対論です。これを進めると、先ほどの「何者も光速を超えない」が導かれるというわけです。

 その得体の知れない空間論に対して、わたしたちの新しい理論は、光のエーテルは重力場である*とします。相対論の最初の仮説「光速不変」が破られるには光の相対速度が観測されたら最も明快です。それにはその相対速度が、地球の重力圏から離れた宇宙で検出されるのが完璧です。
  その重力場(静止座標)は、太陽の移動速度および太陽系に附属するすべての惑星らから及ぶ重力場の移動速度のベクトル合成によって与えられているはずです。その座標の求め方を小生は論文として完成し、日本物理学会へ提出しようとしましたが、相対論は正しいとして拒絶された現状にあります。



 宇宙での相対速度検出

 宇宙空間で行うための観測器はマイケルソン干渉計でよく、なるべくは光路部を筒で覆わず、線材による組み立てが好ましいでしょう。万有引力常数Gはきわめて小さいゆえ、物体による重力場は微小なものとなりますから、筒によって構成したとしても静止座標を太陽重力場とすることに大過はないと思われますが、より完璧を期すためです。

 実験自体は易しいものですが、宇宙への打ち上げ費用の点で、なかなか実施に至らないでしょう。
 実験への積極性がどうか?ということもあります。相対論が崩れた場合の、各研究に与える影響が大きく、既刊の諸著書は凋落し、講義内容の見直しを迫られましょう。研究経過の書き直しと実験のやり直しが求められるといった、大きな被害が予想される相対速度の検出など、歓迎する気にならないでしょう。
 教育方針の変換という作業も必要になります。そのための教授や研究者による協力は消極的であり、むしろ逆圧力がかかるのではないでしょうか。


註) 光のエーテルは重力場である
           ――これがわれわれに示された「光速の重力場法則」です。


 これまでの考察からもたらされる結論によりますと、光は電磁波(電場と磁場が相互作用による変換の繰返しによって生じている)であり、電磁波は磁場の揺れ(相互作用)であって、その磁場はその磁場を作っている物体に静止しています。
 仮にU字磁石を引っ叩いてやると振動し、その振動は波長の長い電磁波を作りましょう。これはもちろん光の仲間です。目に見えない光も電磁波です。暖房の熱輻射も電磁波です。

U字磁石から出る電磁波は、その磁石の持つ磁場に対して(磁石を静止座標として)光速で伝わるでしょう。電磁波は電場と磁場とそれから重力場も変換に関わっていると私は考えています。
 その証拠に、磁場も電場も物に働いて引いたり押したりする力を現わします。このとき物体に生じさせる加速度は、重力場と同じものと考えてよいでしょう。

場のうち、電場と磁場はそれらの性質から、すこし離れても急減しますが、重力場はほのかなものである代わりに遠くまで(無限遠にまで)及んでいます。それゆえ、マクロ(光源に比して遠方にある)には光波の伝達場は重力場であるとみて大過はないでしょう。
 これらのことから考察しますと、光の場は重力場と見て正しい、とするのが新提唱です。

 光速不変とされた原因であるマイケルソン干渉計はその重力場に静止していたのであって、それは太陽に対して秒速30キロメートルで公転運動中の計器ではなく、地球の重力場に静止した計器だったのです。光速がいずれの方角でも変化しなかったのは当然だったのです。
 もしも干渉計が地球に対して運動しながら計測したなら、その速さだけの相対速度を検出したはずです。しかしそれは静かな実験室ではありえません。それを現実に検証するには、機器が揺れないで支持される宇宙において行われるのが完全であります。