光の速さは一定か
マイケルソンとモーレーの実験
「光の速さはどんな速度で走っている人が見ても変わらない」というのが、特殊相対性理論を導く前提とされる。それはマイケルソンとモーレーによる実験結果によったとされる。
1870年代では電磁気学におけるマックスウェル方程式は光の速度に決まった値を指定した。物理学者はこれをエーテルと云った。エーテルは空間全体を満たし、全宇宙に静止しているとされていた。
『アインシュタインは正しかったか』から要約すると次のようである。
1887年、アメリカの科学者マイケルソンとモーレーは、エーテルに対する地球の運動を検出する実験を行った。実験はもともと、光の速度を正確に測定するために、マイケルソンによってつくられた干渉計と呼ばれる装置を使って行われた。マイケルソンの干渉計は互いに直交する二本の真っ直ぐな腕からできており、各々の腕の先には鏡が取り付けてある。
腕の交点に45度傾けたハーフミラーがあり透過光とそれに直角な反射光に分ける。おのおの先端のミラーで反射させて戻った二方の光をハーフミラーで再び重ねると干渉する。その干渉縞は、おのおのの光が往復に要する時間の差によって決まる。
直角をなして二つに分けた腕の片方を、太陽に対する地球の公転速度と一致させると、その方向の光速度は光速Cより地球の速度分だけ小さいはずである。また、鏡で反射されて戻ってくるときは、Cより同じ量だけ速いはずである。他方は公転速度と直角なので往復とも同じ値である。設置誤差を消去するために、装置全体を九十度回転したデータをとって確認している。
九十度回転して設置したときに装置に誤差が生じないためには、装置全体を水銀に浮かべたコンクリートブロックの上にのせて回転させながら観測した。太陽を回る地球の公転速度は毎秒30キロメートルになる。理屈では太陽のある方へ向けた光路に対し、公転速度に平行な片方は毎秒30キロメートルである。彼らの使った波長の10分の4のずれが観測されるはずであった。
結果は100分の4以上のずれは観測されなかった。これはまさに、アインシュタインの相対性原理が要求する振る舞いである。宇宙に対して静止していようが、地球に対して静止していようが、全ての慣性系で、光の運動状態に関わらず、光速は一定である。(クリフォードの本に書かれているのはここまでである)。
さて、これについては筆者は、のちに述べる原因で観測されなかったのではないかと考えている。
その前に、MGP実験について述べよう。
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