用語集 Words


用語集 Words 上級-3

反り

そり:Concave upward
 反り屋根は上に凹な曲面を与えたものである。この曲面が端部で見付(みつけ)となって現われる破風(はふ)を反り破風という。反り破風は大屋根の反りより強くすることが多い。
 反り屋根は社寺・城閣に多く、やや威張った意匠になる。

要約
  屋根の曲面につき、上から見て凹なものを「反り」、凸なものを「起り」、軒先ラインの反りを「照り」と云う。
 「みの甲」は破風の曲線を屋根のそれより深くするとき調整される曲面の部分をかく呼ばれる。        
照り(てり)

てり(建築用語辞典によればConcave upward
 軒先のラインでも両端部で上方へやや曲線的に持ち上げられることがある(右写真参照)。これを「照り」という。筆者在学中の(佐藤重夫先生の)ご講義(※)によれば、そうである。直線の軒先は端で下がって見えるときがある。これを矯正する意味もあるのだろう。
 反り破風で見たように破風で屋根よりも深い反りを造るには半ばを下げ、軒先を上げるとよい。そのためにも照りは理にかなって、しかも調和がよい。
 ただし、(※)いずれの建築用語辞典によっても、「反り」も「照り」も同じで屋根が上に凹に反ったもの、と記されている。が、これはどうも怪しい

 
 


照り屋根
起り

むくりCamber
 
「起り」は反りとは反対に上から見て凸に反らしたもの。棟から軒先へいくほど下り勾配が強くなる。
 ところで、雨後は上方なる棟の方から乾きはじめ、軒先は雨湿が溜り、ことに柿葺*や、檜皮葺などでは遅くまで残る。軒先ほど勾配の急な起り屋根は、雨湿の溜まる軒先ほど早く水を切ろうとするため合理性がある。
 起り屋根は草庵や数寄屋に多く、質素にして控えめ、洗練された面持ちをつくる。


檜皮葺き;ひわだぶき
柿葺き;こけらぶき

 こけらのつくりは市町村の「市」ではなく、一の字を貫通して巾の字を書く。つまり、たて棒はまっすぐに引く。
 
蓑甲;

みのこう
 「照り」で見たように、反り破風(照り破風ともいう)で屋根よりも深い反りを造るには半ばを下げ、軒先を上げるとよい。ところが、そうすると屋根と破風で曲線にギャップが生じることになるが、そのギャップを調整しようとすると屋根から妻にかけて微妙に曲げ降ろすことになる。この調整曲面部分を蓑甲という。

みのこう」は
「蓑甲」でも「箕甲」でもよい。 

 
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