第13話
地球の自転は潮汐に影響するか
地球の自転も影響する?
休憩を挟んで寺子屋が続く。さっき曖昧になっていた点をもうすこしすっきりさせようというわけである。それで講師は「これからすこし面倒なことを考えるが頑張ってついてきて欲しい」などと言っている。
――図は半径rの地球を天の北極からみたものです。月に対する地球の公転角速度をωとしておきましょう。A点は公転中心OからR0マイナスrの距離にあり、B点はR0プラスrの距離にあります。「従ってAにかかる遠心加速度は
αA=(R0−r)ω2 ………………@
Bにかかる遠心加速度は
αB=(R0+r)ω2 ………………A
だからαA<αBである」と、いきなり考えるのは間違いであります。
地球自転を別にすれば、地球の座標に対して |
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A点もB点も回転運動をしていない(恒星座標)ことを前提としなければなりません。
地球の中心Qが公転中心Oに対し1日間にωt=ωで回転した位置にあるとしたとき、A点B点は恒星座標ではA´B´の位置になくてはならんのですね。線分A´B´は線分ABに平行でなければならんです。それがA、B共Oに対して公転していると考え、図1下図の線分AωBωであると錯覚すると、公転分の自転をさせたことになるんです。
図2
図2で三つの大きな円はA、Q、B点それぞれが描く軌道円を示しています。自転しないで公転する地上のA、B点は、ωだけ地球が公転したのちにはA´、B´にあり、実はA、B点ともに、公転中心Oに対するQ点の公転と平行して相似にωだけ公転しており(図2参照)、すなわち、A点もB点も公転による遠心力加速度は等しい※わけです。 しかし、実際には地球は公転と同じ向きに自転しているから、仮にその自転角速度が公転角速度に等しいだけあったとしますと@A式は正しく適用されるはずで、このときαA<αBであると言えましょう。あながち、地球自転が地球公転の遠心力加速度に無関係とは、 |