安易に言えんでしょうな。とにかく、地球各部に及ぶ少なくとも、月に近い側の月に対する遠心力は月から遠い側に比べ小さいことは言えます。つまり、地球自転は月に対する遠心力を地球上の月に近い側では小さく、月から遠い側では大きくさせる、と言ってもよいかもしれません。
ちなみに、自転角速度ωeの、公転角速度ωに対する比、を見てみますと、[2π/日]対[0.23/日]=約27つまり、地球自転角速度は公転角速度の約27倍あるわけです。
註※ このことはどの部分でも成り立っているから、たとえ公転中心が地球内部にあったとしても成り立つ。実のところR0は4.66×103q(第11話2から)であるが、地球の半径rは約6.3×103qでR0より大きく、公転中心は地球の内部にある。なお、光が地球を1秒間に7.5周することから求めると、地球半径rはr=6.3×103q となる。
2 地球自転に関する更なる検討
――さっきの「地球自転角速度は公転角速度の約27倍」であることは無視できないでありましょう。曖昧のままにしないで確認してみることに、諸君、異存はないでしょうな。仮に自転角速度が公転角速度に等しい場合と、12倍である場合とを図に表わしてみると、地球上の1点m1およびm2は図のような軌跡を描くでしょう。図の内円は地球公転の内接円、外円は地球公転の外接円であります。内円に接する瞬間の地上のどの点も、同じ形の軌跡を描きましょう。 
図3 |
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すなわち、月に近いどの点も小さい弧を描き、遠いどの点も大きい弧を描くわけです。諸君はこの図から、小さい弧は公転遠心力を消失させ、大きい弧は助長することを観察することができましょう? 公転遠心力を消失させた分、月の引力が巾を利かせることになるわけです。
遠心力の弱いほうは強く月に引かれ、強いほうは月からも遠ざかろうとするでしょう。なお、実際の地球は12個でなく、約27個のサイクロイドを描くはずです。 ――さっき小生は、自転角速度が公転角速度に等しければ@A式は正しく適用され、αA<αBであると言ったかと思います。その差異は 「−rω2」と「+rω2」の差ということになります。各部に及ぶ地球自身の重力場については、静止時の地耐力と釣合って完結しているはずです。 4図では、実際に即して公転中心Oが地球内部にとってあります。右方向を+としましょう。公転角速度をω、自転角速度をωeとすれば質点m1にかかる
引力は −GM/(R−r) 2
公転遠心力*は +R0ω2
自転遠心力は −rωe2
したがってm1にかかる加速度α1は、これらの合計 α1
=−GM/(R−r) 2+R0ω2−rωe2 …B
でありましょう。なお、前にみたように公転遠心力はどの部分も等しいです。 図4
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