志郎君への手紙とニュースの件
親愛なる志郎君
9月15日付けで、いつになく力のこもった、しかも分厚いものを頂戴しました。光に関するこれまでの諸学説を、さすがよく調べられましたね。
科学史上の出来事(発見や新学説)は、学究する者に元気をくれます。これら、これまでの経緯を一応知っておくことは意義あることだと小生も理解しています。
さて貴君はまだ相対論は正しいと言われますか? それではこれはどうです?
貴君のテーブル上で毎秒1メートルの速さをもって物体(小さい球)が君の方へ近づいている。それを貴君でなくA君と呼ぶことにしましょう。A君は実は時速360kmで走行中の新幹線の車中にいる。
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マイケルソン博士の時代の見方であるが、列車は秒速100mもの速さで走っているのだから、A君はその物体の運動に対して真横から見たり後方から見たりしたとき物体の速さはそれぞれ違った速さに見えなければならないと思った。しかし、横から測ってもいかなる側から測っても同じ1m/secであった。A君は前方から見たら秒速101mで、背後からは99mであると観測されるはずと思ったのである。A君はなぜどちらから見ても秒速ぴったり1mにしかならないのか不思議がった。傍観者B君はそこで、この球の速さはどんな座標にあっても不変な1m/sec であると説明した。
貴君はこのことをどう説明しますか?
つぎに、秒速100m で走行中の車中でその秒速1mの球が光を放った場合、A君から見てその光の速さは、貴君が正しいと信じている相対論によって秒速何kmになると貴君は説明しますか? cですか? なぜcですか? それは何に対してですか?
球が車中で静止していた場合にはA君の見る光速(球の速さではありませんぞ)はやはりcですか? 列車が停車している場合だったらどうですか?
また、球は走行する車中で静止しているが、自分のほうが球へ向かって1m/secで近づきながら光る球の光速を測定したらどうですか?やはりcですか? |