95%で印刷 B   不定期便  第47号
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私からの反論
 
@について
 そのニュートリノは爆発時に飛び出したものに違いないのか?が第一疑問だ。仮に正しいとすれば、宇宙の16万光年という長距離を走ってなお同時に到着したとすれば、ニュートリノの速さは光速でなければならない。相対論では質量は光速で無限大となって、同時に届いたはずがなく、矛盾している。  また粒子とはいえ、物質である。そんな長距離を走って光と同時に着くには、宇宙での減速の機会の可能性を考えると、少なくとも出発時には光速を超えていなければ、1987年の観測はあり得ない。
 Aについて
 ニュートリノが他の粒子らと衝突して別の素粒子に変わっていないか?という疑問なら、事件に出会ったニュートリノはその時刻に到達し得ない。到達したニュートリノはずっと生成していたと見て、まったく疑問はない。この疑問は、@の観測を認める者の疑問としては自己矛盾である。宇宙のかなたから飛来したというニュートリノこそ、その生成の継続に疑問を持つべきだ。
 Bについて
 重力場によって時間の進み方が違うという仮定は実証されているのか? それが真実だとすれば、麓と山頂でずれてゆく時間はどうなるのか? 現在の麓と山頂の関係はどちらも秋である。100万年昔は何ヶ月の時間差になるのか? そのとき、麓と山頂で、それぞれの季節は夏と冬という具合にずれているのか? 厳密さで反論するなら、自らも厳密な根拠によって反論すべきである。

 なりふり構わぬ詰問。測定誤差ではない
  か? 粒子の発射時刻と到着時刻との差によって測る装置への疑問、これらには実験データを無効にしようという意図が見え、発表者は新しい報告への圧力や質問攻めに追われた。こんな目に遭うと思えば、相対論に障る事実の発表には慎重にならざるを得ない。しかし、発表すべきものを畳み込んでしまうことが起こるとすれば、その損失は大きい。こうして相対論に反する発表者には、弾圧といってよいほどの攻撃が降り注ぐ実態を見せたのである。


光速の謎とその氷解  

その圧力に押されて、発表からほぼひと月後には確認観測をし直すことになった。だが、長年貯えてきた膨大な実験データが、この数日間でのやりなおしで変わるわけあるまい。これまでに発表された実験結果によって、相対論の一つの結論「物は光速を超えない」が破れた。元々この奇怪な理論の起こった発端は「光速不変」という仮定にある。どんな動き方をしている誰にとっても光速は同じであるというのが「光速不変」である。
 音波の場合は、音源へ近づこうとする者には音は早く届き、遠ざかろうとする者には遅く届く。 音源のほうがこちらへ近づく場合や、こちらから遠ざかる場合の音速はこの空気中――この場合空気は音波の媒質だ――で同じである。音波は音源をではなく媒質を静止座標として音速を持つからである。
 光波の場合はアインシュタインによってその媒質(エーテルと呼ばれる)は存在しないとされた。そのように出発して組み立てた理論が相対論である。

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