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印刷用は 不定期便 第49号 |
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不定期便 第49号 012年1月28日
光速の謎を解く その1
――011.11.11
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発行
012年1月28日
発行者
熊野宗治 |
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だれでも解る
――光速の法則とその解説――
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光速の法則 |
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第一法則 光速の重力場法則
光は重力場を背景とし、この背景に対して常に光速cで伝わる。
cの値は重力場の強度によって不変ではない。
第二法則 重力場分配の法則
ある空間における光の背景速度はその重力場をつくる物体らの運動速度を、各物体から及んでいるニュートンの万有引力則における万有引力の比で按分されたベクトル和として与えられる。それはそれらの物体の最も速い速度を超えない。
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ここに用いる用語について、光の「背景」とは、光がどの方向にも等しい速さcで進む空間を意味し、従来呼ばれている「エーテル」と理解されてよい。文中それと異なる「背景」と与えたのは、アインシュタインの特殊相対論の説明に用いられた「エーテル」との混同を避けるためである。
また、第二法則による背景速度V0Cの定量には次式で与えられるだろう。
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V0C |
=Σ |
Gmiυi |
/ |
Σ |
Gmi |
ri2 |
ri2 |
(m;物体の質量 r;その物体までの距離 υ;物体の運動速度)
ここで万有引力常数Gは真に不変であるなら、式中約分によって消去され無用のファクターになると思われるが、あえて式中に置くのは、Gが物体までの距離に応じて相異する可能性を完全には否定できないからである。
背景速度の正体
光速が何に対してのものであるかを示す、その背景というべきものが“光の静止座標”である。その静止座標はどのように決まり、したがって、われわれはどのようにしてそれを求めたらよいだろうか。
もしわれわれが、ある速さで走る船上にいて、船上で玉をある速さで転がせば、その玉は岸に対しては川と船の速度にわれわれが船上で玉に与えた速度を単に加えた速度として持つだろう。船は流れる水の上に乗る物であり、玉は動いている船の上に乗って転がるものだからである。
しかし、いくつかの動きを持った水の塊(流れ)が混じりあう場合の速さは、 |
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不定期便 第49号 |
それらの運動速度の単純和というわけにはゆくまい。それは船を浮かべる媒質と媒質との混合である。光を乗せる媒介者としての静止座標の決まり方は、川の合流をイメージすればおよそ間違いないだろう。
主流である大河へ支流が流れ込むとき、支流の流速が主流の2倍であっても、合流後の速さが合流前の主流速度の3倍になるとは限るまい。
水に対して速さυで走る船が流速Vの川を下るときの、船の岸に対する速さはたしかにV+υである。しかし船を浮かべる水のほうは、流速Vの主流に流速υの支流が合流するとき、合流後には流速V+υになるかといえば、そうはゆかない。
また、支流が合流した直後の流れは支流の元の流れに近い速さを持ち、主流へ深く混じるほどその速さに馴染んでゆくだろう。したがって流れ込む支流の速さが主流より速ければ、合流後、つまり河口付近で元の流れよりは遅いが主流よりは速く、河口から沖へゆくほど主流に近い速さに馴染むだろう。だが速かったほうの支流の流速を超えることはない。同様に、支流のほうが遅い場合にはしだいに主流と同じくらいまで速められるだろう。しかし主流の元の速さを超えることはあるまい。 光の静止座標の流れ方も、同様に考えてよいだろう。この場合、主流とは勢いの大きいほうをいう。
光の座標で云えばその勢いは重力場が与えている影響の大きさがそれにあたるだろう。大河に相当する重力場とは、例えば太陽のような大きな質量を重力源とする場であるか、その重力源に近い空間であるために強い影響を受ける場合、それは、大河に相当する勢いを持った影響力であると言えよう。言い方を換えれば、その重力源から離れるほど、その影響は弱まるはずだ。
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もっと正確に言えば、ある空間において、周辺の物体による重力場の流れの勢いはその物体の運動速度およびその物体の質量に比例し、物体までの距離の2乗に逆比例する、としてよいだろう。その物体までの距離に大きく左右される。 地球の地表での重力場はそのほとんどが地球の重力場で占められ、太陽重力の影響は太陽が重力源としての巨大な質量を持つにもかかわらず、それがはるか遠方からのものであるゆえに、ほとんど及んでいない。地球から十分離れた宇宙を考えれば、光の静止座標は、太陽と太陽惑星たちの各重力場速度のベクトル和によって与えられており、惑星や太陽に近い場所の光の静止座標はそれぞれの影響力に応じてその惑星や太陽にとどまろうとする性質を持つものといえよう。
数学好きのかたにも納得していただくために、これからすこし数式的な考慮をしてみよう。
2011.11.11
静止座標はどのように決まるか
川の流れ
図のような合流河川の流速がどのように決まるかを考えてみよう。図は大きな川R1に支流R2が合流する直前の断面を描いてある。
図1
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上図のような河川R1とR2の合流を考える。合流後の川断面積Sは、単純に合流前の各川断面積aおよびAの和であると仮定する。
合流前の各流速をυ1 ,υ2 m/secとすると、直前の各流量は
Q0 = Aυ1 m3/sec
q0
=aυ2 m3/sec
合流後の川の流速をV,時間当り流量をQとすれば
Q =SV m3/sec
が成り立つはずである。これは
Q =Q0+q0とみるのが道理であって、
=Aυ1+aυ2
よって
V=(Aυ1+aυ2)/S
である。一般には
V=狽riυi/狽ri
となろう。
表1
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図のとおり河川R1とR2の合流を考える。合流前の各川断面積aおよびAの和が合流後の川断面積Sになると仮定すると、合流前の各流量は各川断面積に各々の流速を乗じたものとなるだろう。合流後のそれらの合計をQとしておく。
これは合流後の川の流速Vと、川断面積Sとの積となるはずだ。つまり合流後の流速は流量Qを断面積Sで除した値として得られる。すなわち、合流前の流量Aυ1とaυ2の和Qを合流後の断面積(A+a)で除したものとして得られる。
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V=(Aυ1+aυ2)/(A+a )
である。一般式で言えば
V=狽riυi/狽ri …………@
ということになる。それぞれの流量和を合流後断面積で除すという式である。
例題として、小さい川は流速が2倍速く υ2=2υ1 、川の規模は主流Aの10分の1であるものとして合流後の流速を算定してみよう。
合流後の流量はA×υ1とa×υ2との和である。aが(1/10
)A、υ2がυ2=2υ1なら、その和は
A×υ1+(1/10 ) A×2υ1
となって
Q=(1+2/10)Aυ1=(12/10)Aυ1
川断面積Sは
A+(1/10 ) A =(11/10)A
流速はさっきの流量(12/10)Aυ1をこれで除したらよい。分子分母のAは約分され、Vは
V=(12/10)υ1/(11/10)
=(12/11)υ1
となって、υ1よりわずか速くなるだけである。
背景速度の合成
太陽系のように複数の重力場が存在するとき、光の背景となる重力場の運動速度はどうだろうか。
川の例での川の規模に相当する光の背景への各重力場運動の影響の大きさは、ニュートン万有引力則を援用すれば、重力源となる物体の質量に比例し、その物体までの距離の逆2乗に比例するものと考えられる。すなわち
miG/ri2 (Gは万有引力常数)
である。これが川の場合の各断面積Si(分母)に相当する。
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不定期便 第49号 |
各重力場の動いている勢いはこれにその速さを乗じたもの(分子)となろう。
かくしてその空間における背景速度はそれらの和
V0C |
=Σ |
Gmiυi |
/ |
Σ |
Gmi |
ri2 |
ri2 |
…………A
と表わせよう。Gが不変だとすれば
V0C |
=Σ |
miυi |
/ |
Σ |
mi |
ri2 |
ri2 |
…………B
ということになる。
6つの天体がある。いま背景速度を知りたい空間の一点P(観測点)に対して、表に示すように、各天体のもつ速度υiがυ1,υ2,…υ6,質量miが20,50,…1000
またPから各天体までの距離riが1,2,10,…100である場合はどうか?
Mi |
速度 υi |
天体の質量
mi |
観測点までの距離 ri |
1 |
υ1 |
20 |
|
1 |
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2 |
υ2 |
50 |
|
2 |
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3 |
υ3 |
100 |
|
10 |
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4 |
υ4 |
50 |
|
5 |
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5 |
υ5 |
200 |
|
20 |
|
6 |
υ6 |
1000 |
|
100 |
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解
分母= 20/12 + 50/22 + 100/102 + 50/52 + 200/202 + 1000/1002= 20 + 12.5 + 1 + 2 + 0.5 + 0.1
= 36.1
分子= 20υ1
+ 12.5υ2
+υ3
+ 2υ4
+
0.5υ5
+ 0.1υ6
合成速度= (20υ1
+ 12.5υ2
+υ3
+ 2υ4 + 0.5υ5
+ 0.1υ6)/36.1
ちなみに、もしすべての天体速度がυ1という同じ速度であった場合は、
合成速度= (36.1υ1)/36.1=υ1
つまり光の背景は天体と同じように動いてゆく。言い換えれば、光の静止座標は天体たちに静止する。
うち、υ2のみが2倍の速さυ2 =
2υ1 を持っている場合でも
合成速度=υ1 + (12.5/36)υ1
=(48.6/36.1)υ1 < 2υ1 = υ2
となってυ2を超えないことが分る。
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