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印刷用は 不定期便 第75号 |
不定期便 第75号 013年6月18日
物理学の別見 2
光速の解明 3 ――013.5.29
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発行
2013年6月18日
発行者
熊野宗治 |
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前74号から続きます。
重力場はどのように分布し影響を与えるか 続き 5/26
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図1 図2
重力場の運動
上の図2で、地球Eは宇宙空間に静止しており、月mは今の瞬間図のように地球の周りをちょうど正円の公転運動をするような速度υを持っている。地球と月の質量はそれぞれM,mであって、2者間の間隔はrである。
この場合、光を伝える重力場はいかなる運動をしているであろうか。前号から引き続き、E,P,Q,mの各点を代表点にとって考えてみることにしよう。 |
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PはEとmの重心であり、Qは質量Mから及んでいる重力場の濃さと質量mから及んでいる重力場の濃さとが等しい点である。
重心Pは天秤と同じくM×rG=m×r´Gとなるように、相手との距離rを分ける点。QはEからの重力場GM/r02 とmからの重力場Gm/r´02とが等しい点である。
例えば、M=16,m=4であるなら、P点は
rG: r´G =1:4、
Q点はr0: r´0= 2:1となる。
A) P点での場の運動
考察してみるところ、
@ 地球Eの運動速度がゼロだとすれば、Eから及んでいる場のPでの運動速度VEは VE=0であろう。 mから及んでいるそれをVm=υであるとすれば、Pでの場の運動速度υPはそれらの合成として
υP=VE+Vm=0+υ=υ
つまり、月の運動と等しいことになるが、それで正しいだろうか?
そこでその確認のために次のように、地球Eも運動速度を持っていた場合を考えてみることにする。
A 地球もVで運動し、月も地球に対し公転速度υ0で運動しているとき、月は自らもVという速度を持っているとは思わないで、地球の周りをυ0で公転していると思っているだろう(図3)。
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不定期便 第75号
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図3
まず考えたのは、P点にEから及ぶ重力場の運動VEがVE=V、mの公転速度成分V+υ0から及ぶ重力場の運動速度がVm=V+υ0だとしたら、P点での両者の合成は
VP=V+(V+υ0) …………@
となるが、これで正しいかということだった。
それが正しいとすれば、場の合成速度VPは地球と月のどちらの運動速度をも超えることがあり得ることになる。地球や月によってP点に生じさせられた場が、地球や月よりも先へ行くとは、どうも変だ。
これは地球と月の運動を直接足し合わせようとする考え方であるが、そうではなく、Vやυ0 の及ぼす影響はそれぞれからの距離によっても弱まり、場の強さにしても、それぞれの質量の大きさによると考えるべきではないだろうか。
つまり地球の運動速度の反映としての場の運動速度VEは
VE=(GM/rG2)V/k …………A
月からは
Vm=(Gm/rG´2)(V+υ0)/k ……B
(kは縮減させるような係数)
とするのがより合理的なようだ。
合成されたVPは
VP=VE+Vm …………C
ということになる。
前の例M=16,m=4の場合を当てはめてみると、rG : r´G = 1:4であって、表での計算の
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P点付近に関しては
例) M=16,m=4の場合
kをPでの場の総濃度であると考えてみると、
k=GM/rG2+Gm/rG´2
=16G/12+4G/42 =65G/4
…(1)
VE , Vm は、まずAから
VE=(16G/12)V/k
=(16GV/12)/(65G/4)
=(16×4/65)V=(64/65)V ……(2)
Bから
Vm=(4G/42)(V+υ0)/k
=(G/4)(V+υ0)G/(65G/4)
=(V+υ0)/65 ………(3)
表
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ように場の総濃度kは
k=(65/4)G
これをA式B式に按分すれば表計算のように
VE=(64/65)V
Vm=(1/65)(V+υ0)
となって、合成されたVPは
VP=V+(1/65)υ0 ………D
となる。これなら納得できよう。
B) Q点での場の運動
さっきのように各質量からの按分比で与えられるものだとすれば、各質量がQ点に及ぼす場の運動速度VE ,Vmは表中、E、Fのようであろう。
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不定期便 第75号 |
Q点付近に関しては
VE
=(GM/r02)V/(GM/r02+Gm/r0´2) ………………E
Vm
=(Gm/r0´2)(V+υ0)
/(GM/r02+Gm/r0´2) …………F
ここでM=16,m=4,r0=2,r0´=1を入れてみると
VQ=VE+Vm
=(16V/22+4V/12+υ0/12)
/(16/22+4/12)
=V+(1/24)υ0 …………G
表
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ここで前例のようにM=16,m=4,r0=2,r0´=1を入れてみると、Q点で合成される場の運動速度VQは
VQ=V+(1/24)υ0 …………G
と算定される。
重力場運動の一般式へ
以上を一般的にMがPからr1の距離にあってVの速度を持ち、mがPからr2の距離にあってυの速度を持つとき、P点に及んでいるM,mの及ぼすP点での場の運動速度VPはC式から 図4
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P点に合成されるVPはC式から
VP=VE+Vm
=(GM/r12)V/(GM/r12+Gm/r22) +(Gm/r22)υ/(GM/r12+Gm/r22) =(GMV/r12+Gmυ/r22)
/(GM/r12+Gm/r22)
更に、各質量をm1,m2,…、速度をυ1,υ2,…、P点から星までの距離をr1,r2,…と一般化すると、
VP=(Gm1υ1/r12+Gm2υ2/r22)
/(Gm1/r12+Gm2/r22) ……H さらに、1,2,3,…と名前の付けられた質量たちを足し合わせる
m1+m2+m3+…+mn=Σmi
という数学記号を用いれば、分母は
(Gm1/r12+Gm2/r22)=ΣGmi/ri2
分子は同じ考えで
ΣGmiυi/ri2
と書けて、この表現を用いればVPは
VP=(ΣGmiυi/ri2)/(ΣGmi/ri2) …………I
表
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表中計算のように
VP=(GMV/r12+Gmυ/r22)
/(GM/r12+Gm/r22)
一般的に、各質量をm1,m2,…、速度をυ1,υ2,…、P点から星までの距離をr1,r2,…であるときには
VP=(Gm1υ1/r12+Gm2υ2/r22)
/(Gm1/r12+Gm2/r22) ……H |
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不定期便 第75号 |
さらに、1,2,3,…と名前の付けられた質量たちを足し合わせる
m1+m2+m3+…+mn=Σmi
という表わし方を用いれば、分母は
(Gm1/r12+Gm2/r22)=ΣGmi/ri2
分子は同じ考えでΣGmiυi/ri2
と書けて、この表現を用いればVPは
VP=(ΣGmiυi/ri2)/(ΣGmi/ri2)
…………I
と書ける。難しそうに見えてくるが、Σはiを1,2,3,…と変えたものを足し算したものという約束を表わすものと思えば、何てことないものだ。万有引力常数Gが本当にみな同じなら、分子分母が約分されて
VP=(Σmiυi/ri2)/(Σmi/ri2)
…………J
と、簡単な式になる。
しかし分子分母のmi/ri2が同じだからと約分してはいけない。miυi/ri2 はこのひとまとまりで質点それぞれの速さを示す量だから。
具体的に質量m1,m2,…が6,8,9,8,5それぞれの速度υi=υ1,υ2,υ3,…υ5、Pからの距離riが1,2,3,4,5であるとき、Pでの場の運動速度VPを計算してみよう。
その運動速度VP は表のように計算できて、表中Bのとおり VP
=(6υ1+2υ2+υ3+(1/2)υ4+(1/5)υ5)/9.7と得られる。ちなみに、5つの質量がみな同じ向きに同じ速さυ1を持っていたとしたらどうなるだろうか? その場合には表B式のυ2,υ3,…υ5 に全てυ1 と入れることになり
VP=υ19.7/9.7=υ1
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J式に mi=6,8,9,8,5 υi=υ1,υ2,υ3,…υ5 Pからの距離ri=1,2,3,4,5 を入れてみると、
分母
=(6/12)+(8/22)+(9/32)+(8/42)+(5/52)=6+2+1+(1/2)+(1/5)=9.7 ……@
分子
=6υ1+2υ2+υ3+(1/2)υ4+(1/5)υ5 ………………A
しかるにVPは
VP=分子/分母
=(6υ1+2υ2+υ3+(1/2)υ4+(1/5)υ5)/9.7 ………………B
と求まる。
表
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すなわち、P点における重力場の運動速度VP も皆の運動速度υ1に等しく、皆と共に動いてゆくことが分かる。つまり、光の静止座標は星たちに静止する。 (5/29)
図5
大小の質量が各速度を持って図のように分布しているとき、各質量のつくる場が各空間でいかなる動き方をするか予想してみた。各質量の近傍の場はその質量に引きずられるように動いているであろう。 (5/29)
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