写真の1は黄鉄鉱Pyrite(FeS2)の例である。立方体に別の立方体が陥没しているかにみえる。
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写真2の左は正8面体に割れた蛍石、右はアクアマリン(緑柱石Beryl)Al2Be3[Si6O18]の例である。
写真の3は方解石(Calcite)の例である。蛍石と方解石は金属ではないが、面白い形をとっている。これらに産地も記されている。
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これらは「Crystal World」という店(こちらではイーオンというモールの中にある)で求めた。驚くことに、誰でも気軽に買うことができる。驚いたのはその低廉さである。写真1は1個1900円、2の蛍石は420円、緑柱石は6角柱をしていて1575円、3の方解石は525円だ。
小さいアンモナイト化石はたしか千円札でお釣りがきて手に入る。小さい隕石片なら千円札で買えるのがある。興味を惹いた規則的な(幾何学的な)形で結晶している金属をいくつか買い求めたが、サイフから千円札7枚ほど取り出したらすべて買えた。簡単な、しかし的確な説明のラベルが貼ってあって、
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透明なケースに入れてあったりする。
興味あるこれら幾何学的な形は、人が苦心して研磨したものではなく、物質たちが自ら形づくっているものだ。さっき言った安定な場所に居座った原子たちの構造――結晶構造の結果にちがいない。
この美しい結晶の形から、原子たちは直角の角度を持って並び合っている。あるいは120度(60度)の角度を持って並び合っているのだろうと想像することができる。きちんと知りたい諸君はそれなりの専門書で学ばれたい。
磁石の根源はなにか
われわれはコイルに電流を流すと磁場が発生することを知っている。磁場は電子(あるいは陽子)の運動によって、その周囲に発生するものであるらしい。
電流を流さなくても磁力を持つ永久磁石はなぜ磁場を持っているのだろうか?
磁化した鉄は永久磁石になる。しかし、われわれは第89号で、コイルの中空の部分に磁場を発生させ得ることを知った。これらのことから、われわれは磁荷というものが無くても磁場は存在することができると考えるのが適当であろうことに気づいている。
そこで小生は、磁場は電子(陽子)の回転――これは電流と同じだ――で生じている、と結論してよいと考えている。その最も小さいものは1925年発表されたクローニッヒ、ウーレンベック、ハウトシュミットらの言う電子の“スピン”つまり自転である。磁極はその性質上互いに頭と尾が引き合い、緊密に連なる。するとそれは渦のようにつながるだろう。つながるとさらに威力を増す。
竜巻
頑強な磁力をつける
強力な磁場を発生させる仕組みとしては、コイルに強力な電流を流せばよい。もし、そのまま電源を切ってもその電子が惰性でコイル中を回り続けてくれるなら、そのコイルを永久磁石的に利用することができるのではないだろうか。
学生時分の小生なら、「そんなことはできない」と答えたかもしれない。しかしそれができるのだ。
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