R 印刷用は       不定期便  第95号
   
 不定期便
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     ダークマター背景放射
発行
2014年5月14日
発行者
熊野宗治
 

読者諸君の数名の方から、ダークマターに関する疑問が寄せられている。小生はあまり詳しく調べてみたことはない。この際、小生もすこし思いやってみようと思う。


ダークマター   014/4/10

 
 わたしは、ダークマターの正体の一部は幻子雲であると考えるようになった。光は空間に重力場あるいは磁場がある限り波及しようとし、光速cで走るとわたしは考えている。ついに重力場がゼロに近くなれば光としての振動は伝わらなくなり幻子雲となって波動は消える。この幻子雲を人はダークマターの一部として観測しているものであろうとわたしは考えるわけだ。存在の正体が謎めいているのはそのせいかもしれない。

ウィキペディアによれば、
 ――《暗黒物質(dark matter )とは、宇宙にある星間物質のうち電磁相互作用をせずかつ色電荷を持たない、光学的には観測できないとされる仮説上の物質である。人間が見知ることが出来る物質とはほとんど反応しないなどともされており、そもそも本当に存在するのか、どのような正体なのか、何で出来ているか、未だに確認されておらず、不明のままである。》とある。
 その存在は《銀河団中の銀河の軌道速度における“欠損質量(missing mass) ”を説明するために、1934年フリッツ・ツビッキー(スイスの

  
天文学者)が仮定したものだ。

 ツビッキーは、銀河団の全質量をその周縁の銀河の運動に基づいて推定し、その結果を銀河の数および銀河団の全輝度に基づいて推定されたものと比較した。その結果、光学的に観測できるよりも400倍もの質量が存在するらしいことが分かった。銀河団中の可視的な銀河の重力は銀河団の運動速度と軌道に対して小さすぎ、“質量欠損問題 (missing mass problem) ”として知られることになった。これらのことから、ツビッキーは銀河団を互いに引き寄せる十分な質量や重力を及ぼす目に見えない物質が存在するはずであると推測した。
 
 暗黒物質の存在については、1970年代にヴェラ・ルービンによる銀河の回転速度の観測から指摘された。水素原子の出す21cm輝線で銀河外縁を観測すれば、ドプラー効果により星間ガスの回転速度を知ることができる。この結果と遠心力・重力の釣り合いの式を用いて質量を計算してみると、光学的に観測できる物質の約10倍もの物質が存在するという結果が出た。この銀河の輝度分布と力学的質量分布の不一致は銀河の回転曲線問題と呼ばれている。この問題を通じて存在が明らかになった、光を出さずに質量のみを持つ未知の物質が暗黒物質と名付けられた。》――

 さてわたしは、“ダークマター”などという物々しい呼び名はともかく、恒星として夜空に輝いているもののほかに、常温であるために光らない
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物質としてその何千倍もの天体たちすなわち質量があっても当たり前だと思っている。

 われわれの眼は闇では良く見えないが、蛍の飛ぶのを見て世界中に生物は蛍の数匹しかいないと思う者はいまい。
 地上で一筋の光が目に届くまでに、その光が横切った0.0224m3ぽっきりのあいだにも6×1023個もの分子たちが犇めく中を突き抜けてきたのだということを知らぬ人も少ないだろう。われわれには無の空間としか見えないが、空気でさえ、わずか2.7ccの空気の中に分子が1019(1000粒の1億倍の1億倍)という高密度なのだ。眼でも望遠鏡でも、見えないから気づかなかったに過ぎない。
 
宇宙背景放射     014/4/10

 
 黒体(black body)とは何かというと、あらゆる光を100パーセント吸収してしまう物質をいう。したがって、黒体には反射する光はなく常温では真っ黒に見える。もっとも、黒体は他から受け取った熱あるいは自身の持つ熱を赤外線として二次輻射している
 ビッグバンの残光だとされる黒体放射(宇宙マイクロ波背景放射と呼ばれる)もまた、宇宙最古の化石として存在する、という。これが見つかればビッグバンの何よりの証拠と考えられていた。
 それがペンジャスとウィルソンによって、最初は正体不明の雑音として1965年に発見され、「宇宙マイクロ波背景輻射」と呼ばれた。
                
 ウィキペディアによれば、
 ――宇宙マイクロ波背景放射(cosmic microwave background (radiation); CMBCMBR)とは、天球上の全方向からほぼ等方的に観測されるマイクロ波である。そのスペクトルは2.725Kの黒体放射に極めてよく一致している。

    単に背景放射 (cosmic background radiation; CBR)マイクロ波背景放射 (microwave background radiation; MBR) とも言う。黒体放射温度から3K背景放射とも言う。  

CMBの放射は、ビッグバン理論について現在得られる最も良い証拠であると考えられている。1965年に CMBが発見されると、定常宇宙論など、ビッグバン理論に対立する説への興味は失われていった。標準的な宇宙論によると、CMBは宇宙の温度が下がって電子と陽子が結合して水素原子を生成し、宇宙が放射に対して透明になった時代のスナップショットであると考えられる。これはビッグバンの約40万年後で、この時期を「宇宙の晴れ上がり」などと呼ぶ。この頃の宇宙の温度は約3,000Kであった。この時以来、輻射の温度は宇宙膨張によって約1/1,100にまで下がったことになる。宇宙が膨張するに従って輻射は冷える。この背景放射がビッグバンの証拠とされる。

CMBが生まれた後、いくつかの重要な事件が起こった。CMBが放射された時期に中性水素原子が作られたが、銀河の観測から、銀河間物質の大部分は電離していることが明らかになっている(すなわち、遠くの銀河のスペクトルに中性水素原子による吸収線がほとんど見られない)。このことは、宇宙の物質が再び水素イオンに電離した再電離の時代があったことを示唆している。

CMBが放射された後、最初の恒星が観測されるまでの間、観測可能な天体が存在しないことから、宇宙論研究者はこの時代をユーモア混じりに暗黒時代(dark age)と呼ぶ。――

           

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わたしにも言わせて

宇宙が冷え、水素イオンが原子核と結びついて水素ができると言ったり、再びイオンに電離している と言ったりと、自然科学としては節操がなさ過ぎないだろうか。
 わたしにも言わせていただくと、まず、ビッグバンの原初の玉はどこから来たのか? この膨大な宇宙の、この膨大な質量を宿していた原始の小さい玉、その最初の直径がパチンコ玉大であろうと、ピンポン球くらいあろうと、1メートルの直径であろうと、あるいはたとえ地球大であったにしても、そんなことは問題にならないほど超高密度な玉が、どこから現れたのかも不明のまま、そのビッグバンから始まるというこんな空想論から、厳密なはずの科学論を始めようというのだから、何たる矛盾、何たる非科学であろうか。

 人類とは思うほど出来のよい生物でもなさそうだ。その証拠には、科学史に名を連ねる尊敬さるべき多くの科学者たち(ノーベル賞科学者さえ含まれる)が、真面目に信じ、進めていることなのだ。
 人間には理解できないような出来事を、最初の1回だけは認めた上で始めることに、そもそも、わたしは同意できない。科学論議の最初の基礎がきちんと存在しない。



 
愛読者諸君お疲れでしょう、続きは次回に








  




















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竣工ころの拙宅の2階パティオ 2001年ごろ撮影
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