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印刷用は 不定期便 第97号 |
不定期便 第97号
ダークマターと背景放射 2
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発行
2014年6月16日
発行者
熊野宗治 |
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前、95号から続きます
背景放射
赤外線(波長〜10μm〜)よりも長波(1〜100o)であって熱を感じることはできないかもしれないが、宇宙に充ちている輻射波(黒体放射)は観測されることがあり、1965年に捉えられ“宇宙背景輻射”と云われたものはそれであるとわたしは考える。
3KのKは絶対温度の単位である。宇宙から来る背景放射の観測値が、ビッグバン理論から現在はこの温度になるはずと計算された数値2.725Kに近いというわけであろう。理論値が有効数字4桁まで算定されているにしては、実測値がこれに近いからこれがビッグバンの証明になる、というようなことを言っている。理論値はこれまで数転している。現在も観測値は方角によっていくらか違うであろう。もしその2.725という理論値がビッグバンの動かぬ証拠だと言うのなら、725まで実測地とぴたり一致するはずである。たまたまそれに近いから証明されたとするには無理があろう。第一、理論値は都合のよい値へ誘導することが可能であるに違いない。以前に予言された温度は3Kではなかったという前科もある。
わたしは、生じたばかりの星間物質が絶対零度ではなく、万有引力によって部分的に収縮を始めることで、空間にわずかな運動エネルギー(熱)が生じることがあっても当然であると考えている。
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わたしの持論ではその最初を幻子であるとするものであるが、厳密には違うかもしれないとしても、似たようなものであろう。むしろ、全く静止するところの零Kという状態のほうが稀有な存在であろう。それが 3Kくらいだとしても、不都合ではない。つまり自然発生的な星間物質の温度がたまたま3Kであることはあり得ることだ。もちろん、ビッグバン独自の証拠として決めつけることはできない。
――熱とは――
“熱”に関してわたしはこう考える。体感的には、熱とは人体に感じる分子振動である。その強度は温度(単位;℃あるいはK)で測られる。
物理学的には、物体を構成する物質中の分子振動あるいは粒子振動であると考えたらよいだろう。つまり物質質量の運動エネルギーである。その強度は熱量(単位;カロリー)で測られる。運動エネルギーとしてはジュールあるいはエルグという単位となる。
発熱部を冷やすにはその振動を他の分子運動の静かな(冷たい)物質に触れて移し替えるとよい。
人体では分子振動が神経線維の中を神経伝達物質の反応や電気信号となって伝えられ、最終端である脳で「熱」と感じるものと考えられている。人が熱と感じ反応するのは人体反応つまり生命反応であり、分子生物学的反応である。
通常、生体反応では、反応は伝導によると考えてよいだろう。(神経伝達については第 30,31,34,36号で学んだ)
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不定期便 第97号 |
――輻射とは――
分子や粒子の運動は「場」に振動を生じさせる。質量や電荷や磁荷といった“物質”はそれらに付随する「物質場」を持ち、粒子たちの運動(振動)は必然的に物質場の振動を惹起し、かれらの場の中を波として伝わる。これが輻射である。それ故、輻射は空気中あるいは真空中を伝わる。
現代の知見――少なくとも小生の考え――では、重力場は振動しない。なぜなら質量は質量の現存在において、つまりエネルギー変換の行われていない状態では、増減しない(質量保存の法則)からである。ただし、わたしは質量の造る場を“重力場”とし、重力場でなく力を生じる場を“力場”と区別してよいと考えているので、もしその力場が存在するなら、その振動はありえると考えざるを得ない。その例として磁場や電場に結合している力場をあげることが出来よう。
ある空間からある距離をおいて存在する質量から及んでいるその空間ごとの場の強さが変動していたとしても、それはかれら質量からの位置による変動であって、重力場自体の局部自発的変動(振動)ではない。(研究者によっては重力波が存在するように云う人もいるが、わたしは今のところそれを全否定しない。)
またその場合、その空間に対して動いている質量がつくる重力場は質量と共に動くものであるが、質量と同じ“運動”であって“波動”ではない。
波動は場の局部的な高低差あるいは別種の場への変換作用として場そのものが起こしてゆく“相互作用の伝達”のことである、とわたしは理解している。
ある空間に質量が及ぼしている場の運動速度はその場を造っている質量の運動速度に等しい。
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そしてその空間における場の強さはさっき述べたとおり、質量の大きさとその空間から場の原因質量までの距離によって決まる。(複数の質量によって構成されている空間での重力場運動は、それぞれの場の強さのベクトル和として与えられることは自明のことであろう。これは光速を決める基準となる静止場に等しい。これが「光速の法則」である)
荷電粒子はその1公転によって1周期の電磁波を生ぜしめるものであると考えられる。
この電磁波は電場や磁場あるいは重力場の中を伝わり、その波が出会った物質を構成する分子あるいは原子あるいは素粒子たちを共振させ、すなわち熱に変わる。要するに、粒子たちを動かした相当分の電磁波エネルギーが消滅し熱エネルギー(粒子運動エネルギー)に変換する。物質に出会って熱に変わるまでに空間の物質場を伝わる電磁波(光波より波長が長い)が熱輻射である。
――熱吸収と放射のメカニズム――
熱吸収と輻射はいかなるメカニズムで起こるのであろうか。わたしはこう理解している。光を浴びた物質の原子は外電子が元気になって発熱する(図1-上図)。これが熱なのだ。粒子の運動エネルギーはいずれ運動ポテンシャルを落とし、その下落分は場の変動エネルギー分つまり電磁波になって発散(二次輻射)し、原子自身は冷却する。
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不定期便 第97号 |
これが黒体放射である。宇宙空間に存在するこの全ての熱平衡が宇宙の持っている背景放射である。
熱または光 吸収
熱または光 放射 |
図1
わたしはそれがビッグバンの残光であるとは考えない。そうではなくて背景放射は宇宙空間から生じた場の振動エネルギーとして存在するものであって、これに相当する負債(負の場)が重力場と対を成す場として存在し、そこへ熱吸収され再び幻子雲になるというメカニズムになっているのではないかと、わたしは推測する。幻子雲が寄り合って重力場を形成するようになり観測されるものがダークマターの正体ではないかというわけだ。
――光とは――
さきほど考えたように、原子において外電子が核の側へ落下したとき電界の変化が起き、電界の変化は磁界の変化を引き起し、波動を生じる。したがって、電子に1軌道の落下(エネルギーの放出)があったとき、数波の電磁波を生じる(図1-下図)。(隣接する原子たちのいくつかはその衝撃に同調するかもしれない)
物質を加熱したとき熱線や光を発するのは、その物質を構成するあらゆる原子たちそれぞれが電磁波を出すからである。
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物質が輝くときの光は、原子たちが発する数波の電磁波たちの無数の群れとして、われわれには見えるのである。ちょうど、水面に生じている雨滴たちのつくる無数の波の輪と同じである。
したがってそれらの電磁波たちの位相は個々ばらばらであって、われわれは多分にその山と谷の相殺された平均として見ている。決して1つの波形で連続に繋がっているものではない。それらの波の位相が山同士、谷同士となるよう人為的に揃えたものはレーザー光とよばれ、桁違いのエネルギーを持つので危険である。
わたしのギャラリー
写真 輿水 進
拙宅の2階パティオ 上から見下ろしている
壁の一部を覆うように、ガラスのトンネル。右のパティオからから屋上へ昇るミニ階段の踏み幅、高さとも30センチ。横幅は40センチ。鉄板の上に厚み2センチの黒御影石が置いてある。
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