光速の背景 次ページ 

 はじめに








    この書を、今はなきアイザック・ニュートン卿に捧げる









 はじめに

 

いまこの本を手にとられたあなたはもちろん、人は誰でも物理学を学ぶ権利があり、意見を述べる権利があります
 ひょんな取っかかりから、わたしもある重要な発見に導かれました。それは物理学上必要になると思いますから、ぜひ自然科学を志す皆さんにお伝えしなければなりません。またわたしは科学技術や研究を志す人、物理学の好きな人のために書きました。この方々に、わたしがいかにして重要な発見にたどり着き、新しい理論を立てることができたかを、実体験に基づいてお話ししたいのです。そしてできることなら、どなたか、この研究を引き継いでくださることを願っています。
 まず第一章で、過去の偉大な科学者たちが自然法則の諸発見に至った実際例をみます。皆さんは興味を覚えるものを二つ三つ、つまみ読みくだされば結構です。筆者自身これらによって、力付けられます。
 わたしはこれまで最も重要な物理学原理とされてきた、ある二大理論に疑問を抱きました。2章では重要な発見への契機となったその疑問を、真正面から明らかにします。その代わりに、それなら正しい見方はどうあるべきかを探さなければなりません。
  第3章、4章は実際に新しい発見へ至る長旅に入ります。研究活動には色々な方法があり、研究者の事情もあるでしょう。研究法の何より確かな参考書は“実録”です。実録には
つくり事(ヽヽヽヽ)がありません。その実録で起こりえたことは実際にも起こりえます。科学者の伝記には美しいことが描かれ、不名誉な考えは通常は省かれましょう。本書では筆者が重要な発見に至った行動と考え方を、包み隠さずお話しします。何のために? それらすべてが力強く現在につながるからです。

序 1