それらのうち自転している原子核(陽子)は、卓上で回る独楽のように、回転軸と平行でない向きに力が加えられると、スピン陽子はその向きを軸とする歳差運動(首振り運動)をする。そのとき増加したエネルギーは、かけられた磁場の強さに比例する。
1図
以下、図は「Dr.study (コウメイ塾)」による
また、その陽子が属する組織(物質)いかんによって、磁場のエネルギーがどれくらい借用できるかの差異がある。
――歳差運動の個性を見つける
物体が装置に差し込まれると、その物質をつくっている水素原子の原子核には、強力な磁場によってその自転軸が振られ、一斉にみな同じ磁場方向を軸とする歳差運動を起こすわけだ。
2図
3図
自転ベクトルを示す青い矢先は円錐の円周上を回っているから、図では丸い陽子も円運動しているが、実際の陽子の“重心”は円錐の頂点で静止している。
それらの勢いはその陽子の属する組織によって違いができる。 |
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その違いを検出するためには、別なラジオ波を照射する。照射による磁場のためにさっきの歳差運動の軸がこの方向へ傾けられる。
4図
図では90度倒されているが、実際には中間的に、例えば45度傾くことになろう
5図
歳差運動の周波数はラーモア周波数と云われ各原子核特有の周波数で、かけた磁場の強さに比例する――かけた磁場と同周波数のときよく共鳴(エネルギー吸収)する。通常10〜60HZほどであって、ラジオ波の周波数範囲にあたる。
そのパルスの照射をやめると徐々に元の状態に戻る(共鳴エネルギーの返済に相当し、エコー信号として放出される、6図)。その核磁気共鳴信号の戻り速さは各組織によって異なる。
6図
この戻り方の違いから画像化するのだ。
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