――信号の出所を特定する
さて、画像データとするにはその核磁気共鳴信号がどの位置から出たものであるかが特定されなければならない。そこで距離に比例した強度を持つさらに別の磁場(勾配磁場)をかける。この勾配磁場によって水素原子核の位相や周波数が変化する。
この観測結果を三次元フーリエ変換して個々の位置信号に分解し、画像データをつくる。
つまり、カメラで撮影されるものではないのだ。元々、形のない、場所ごとのデータに過ぎない。
――MRI構成のまとめ
これらのMRIの原理を満たす原子核は1H以外にもたくさんあるが、1Hに比べれば微量のため画像にするには少なすぎる。人体の2/3が水であることを考慮すると、1Hで十分である。空気には陽子がほとんどないので画像は黒となる。
上述のようにMRIの構造は
1.均一な磁場を形成する磁場(永久磁石や超伝導磁石による)
2.傾斜磁場(勾配磁場)をつくる磁場コイル
3.共鳴エネルギーを与える照射磁場
4.エコー信号を検出する受信コイル
という4つの磁場コイルと、得られた結果から画像に組み立てるための、
5.コンピュータシステム
から構成される。
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わたしの ギャラリー
写真 輿水 進
窟居 1階リビング 筆者の設計施工1995年です
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