光速の背景  82
次ページ

第4章 未来への道
 第2節 なにが見つかったか


 あまりに奇妙すぎる相対性理論を疑う思索によって、なにが見つかったのかをこれからお話しなければならない。
 天才科学者によるといわれる特殊相対性理論とはどんなものであるかを結論で言うと、運動している物はその方向に寸法が縮む、その時計は遅く進む、速いほど重くなる、というもので、一般相対性理論に至っては、時空間が歪む、ということになる。
 そのような奇怪なことが諸君、いまだに学者にさえ信じられているのだ。また近代物理学に与えている影響は大きい。見過ごすことができなかった私は批判的な書『アインシュタインの嘘とマイケルソンの謎』を著した。しかし、世間の反応は薄く、さらに易しく紹介することが必要と思われる。

――『アインシュタインの嘘とマイケルソンの謎』の本とは

より真実を知りたい皆さま
 あなたは、車の速さとは地面に対する速さであることをご存知ですね?音の速さはどうですか? 音は空気中にある空気の分子が次々に衝突しながら伝えられるから、空気分子に対する速さであることもご存知でしょう? そうやって伝わる音は音波という波であると知っていますね? もしも無風状態であれば、地面に対しても、音の速さは同じですね? しかし風が吹いていれば、地上に立っているぼくたちには、風上からくる音は早く到達し、風下からくる音は遅く到達するのです。無風でも、ぼくたちが走れば同じことが起こります。
 光はどうですか? 光も波として伝わると知られています。こんどはそれを伝える空気分子といった粒のようなものは存在しません。まったくなにもないはずの真空中を伝わってゆくのです。でも、光の速さは秒速30万キロメートルと知られています。アメリカのマイケルソンという科学者が精密に測定したのです。

 さて皆さんはその光速とは何に対する速さであるか、ご存知ですか? 車や音のような、電柱とか空気分子とか霞とかいった目標物は、光にとっては何もないのです。真空な空間に対する速さでしょうか? ではその空間がまったく静止しているものかどうかを確かめる方法がありますか? あるとすればその空間は何に対して静止している、と決めたらよいでしょうか? 仮にそのが、たとえば太陽だとして見つかったとしましょう。でも、その何とは別の、たとえば地球はその何とは別な動き方で動いていますね? そうしますとさっきの、風の中の音のように、太陽に対して動いている地球にとっては、なにかしら空間の風のようなものがあるはずだ、そう思いませんか? つまりその風速――それをエーテル(ドリフト)と呼ばれるのですが――を観測したら地球の運動速度が分かるはずですね? 実際、マイケルソンはそれを測ろうとしたのです。ところがどの方向にも光速の違いが観測できなかったのです。
 そこでアインシュタインは、どんな速さで運動する人にも光の速さは同じに見える、同じである、と決めて相対性理論というものをつくったのです。それはとても変でしょう? そんな相対性理論にはとてもたくさんの矛盾があるのです。私のこんどの本はそれらを指摘して、では光は何に対してどんな速さを持つのか?を考えつづけ、ついにこう考えればすべての矛盾がない、というそのを見つけたのです。それがこの本に書かれています。これは物理学の
  82 次ページ